請求の趣旨
被告は原告に対して慰謝料2800万円、他補償金1000万円、合計3800万円のうち一部として160万円を支払え。
被告は原告の重複する障害の実態に即した環境を整備するために居室の改造、人員配置、等必要な施策を行え。及び被告が原告を施設から退去させる場合には原告に生じると考えられるすべての必要な負担を負え。
請求の原因
１．被告は原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変があることを知りながら、原告を2020年11月13日まで医師に受診させなかった不法行為及び債務不履行。
２．被告は原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変があることを知りながら、それを後見人に2020年1月28日まで報告しなかった不法行為及び債務不履行。
３．被告は原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変があることを知りながら、原告の常習的な反復行為を原告の精神症状にのみ起因する自傷であるとして、原告服用の抗精神病薬等の処方量の減量を担当医に求める後見人からの申請を2021年3月19日まで妨害し許可しなかった不法行為及び債務不履行。
４．被告は原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変があることを知りながら、2020年1月28日まで原告に必要な栄養補助食品を摂取させるための後見人からの申請を妨害し許可しなかった不法行為及び債務不履行。
５．被告は原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変があることを知りながら、必要な処置を取らず放置して、原告の両眼を失明に至らせた不法行為及び債務不履行。
請求の経緯
被告は、原告の両眼の失明は原告本人のもともとある障害による自傷に起因するとして札幌報恩学園の責任を否定し、後見人が被告に対してその責任を追及した場合には被告は原告の札幌報恩学園の利用契約を解除すると後見人に通告していた。しかし、自傷と思われていた原告の常習的な反復行為は原告本人の障害に帰すべきものではなく、モルゲロン病という未公認の疾病に罹患していることで全身に生じる不快症状に起因していることがわかった。後見人が原告に必要なモルゲロン病に適した栄養補助食品等を2020年1月28日から定期的に摂取させた結果、反復行為は顕著に改善した。モルゲロン病は現在、国際疾病分類にないため、原告のモルゲロン病罹患の事実と、全身の多岐にわたる症状やその影響については公的な証明を得ることが困難なため、それらの損害額は本件請求に含めない。
原告はもともと一級障害者であるため両眼の失明による逸失利益は発生しないという原告の置かれた立場の弱みにつけ込み、原告が疾病的に全身に不快症状を生じる異変を2020年1月28日まで必要な処置を取らず放置して、被告は原告の両眼を失明に至らせた。


原告は富山医科薬科大学附属病院で昭和59年10月28日に誕生。
富山県立精神保健センターことばの教室に昭和62年4月から１年間通園
富山市立雲雀ケ丘保育所に昭和63年4月から2年間通園
富山県立しらとり養護学校に平成3年4月から4年間通学。
北海道立札幌養護学校に平成7年4月から8年間通学。
北海道立札幌養護学校高等部平成1215年３月卒業
社会福祉法人札幌報恩会札幌報恩学園平成15年4月から入園、現在に至る。 知的障害、自閉症、療育手帳1級、言葉はしゃべれないが言語理解は良好である。運動会ではいつも受賞、虫歯ゼロでもいつも受賞。健康的な小中高時代を過ごす。

モルゲロン病は医療機関で正式な治療を受けることができないため、後見人（親）は自身の体験を通して得た知識により、原告に必要な栄養補助食品等を継続的に摂取させている。